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【第十位】村下孝蔵さんの「90ページの日記帳」途切れた日記が語る想い。歌詞の意味や世界観を解説・鑑賞

村下孝蔵 90ページの日記帳 アイキャッチ
おうじゃ(管理人)
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隠れた名曲ランキングのカテゴリーへようこそ!

このカテゴリーでは、「初恋」や「踊り子」など村下孝蔵さんの有名な楽曲以外の名曲をご紹介しています。

今回取り上げるのは「90ページの日記帳」という楽曲です。

「初恋」発売の前年にリリースされたアルバム『夢の跡』に収録された作品で、村下さんのひとつのテイストが出来上がっていく過程に触れられる一曲といえるでしょう。

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参考:村下孝蔵さん楽曲解説特集🎸

当サイトは非公式のファンサイトであり、ファンの皆様がご自身なりに楽しめる場を提供することを目的としています。同時に、村下孝蔵さんの全楽曲、とりわけその歌詞の意味や世界観を解説することを主たる目標に掲げています。

⇒村下孝蔵さん楽曲解説・歌詞解題についての詳しい「考え方」はこちら

ご興味のある方は、以下の記事もお楽しみいただけるはずと自負しておりますので、お時間のあるときにどうぞ遊びにいらしてくださいませ。

↓↓↓

\ 計13曲!隠れた名曲をランキング!/

【第十位】村下孝蔵さんの「90ページの日記帳」途切れた日記が語る想い。歌詞の意味や世界観を解説・鑑賞
【第十位】村下孝蔵さんの「90ページの日記帳」途切れた日記が語る想い。歌詞の意味や世界観を解説・鑑賞

(解説楽曲例:ロマンスカー、だめですか、いいなずけ、北斗七星、夢からさめたらなど)

⇒「踊り子」など代表曲はこちら

管理人なりに全力で取り組みましたので、皆様が村下さんの楽曲を別な視点から楽しむ参考になることだけは請け合いです☆

下部に歌詞全文を用意しました。適宜ご利用ください。

初めてお聴きになる方は、ぜひ以下の解説を読まずに、ご自身の耳と心のみでまずは味わってみてくださいね!

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🎵 当記事の著者について

当サイト管理人

新おうじゃ

名前 / Name  
おうじゃ 

職業 / Occupation
生来詩人、お米賞味マイスター、歌詞解説・鑑賞家、福話術者(家庭教師も兼業)

実績 / Achievements
生まれたときから詩的な人生を送っています。村下孝蔵さんに出逢ってから、その楽曲を肌身離さず心に持ち歩いては味わってきました。
姉妹サイトではシティポップの楽曲解説や、自身の生活の中で頂いたお米の銘柄の特徴をレビューしつつ【福話術】と題したあらゆる人の心に寄り添う記事を執筆、分野を開拓しています。

(姉妹サイト「おうじゃの福眼」プロフィールページへ遷移します)

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楽天ミュージック
『夢の跡』所収

第十位 90ページの日記帳

(遷移せずこの場で再生できます▶)

淋しい時程 よく 笑えることを
あなたと別れて 初めて知りました

解題

民族楽器のような高らかで寂しげな笛の音で楽曲は始まります。確か「ケーナ」という楽器だったと記憶しています。

冒頭のメロディだけで、風の吹く丘の上に立ち尽くす女性といったようなイメージが湧いてきますね。

村下兄貴は『つれてって』など女性目線での歌唱もお得意ですが、本楽曲も同様です。

女性がともに過ごしていた男性を思い浮かべ、現在の限りない淋しさを感じながら、意外にもそういう自分が「よく笑える」ことを「初めて知り」ます。

辛いときや寂しいときに、どういうわけか自分がハイになりやすいというのは、どなたも経験したことがあるかもしれません。

これは淋しさを紛らわすための本能なのでしょうか……。

コートのポケットの 中で手をつないで
歩いたぬくもりを 今でも覚えてます

二人は「コートのポケットの中で手をつないで」歩くほどに、仲よしの時間を過ごしました。

北斗七星』で、二人のぬくもりが打ち消し合う、と歌われていたのとは異なる関係性だったということですね。

北斗七星では、お互い本当に愛し合っているけれども、その関係がどこへも向かうことができないという情景でした。

茶色のサングラス あなたの忘れ物
かけても見えません 涙で曇って

ひとりになった女性は、男性が残していった「茶色のサングラス」をかけて涙を流します。

「忘れ物」と表現されていますけれど、これは単純に男性が一緒に住んでいた部屋に忘れて去っていったと捉えてもよいでしょうし、

サングラスという休暇やバカンスを連想させるアイテムですから、二人の楽しい思い出が染みついた、しかも当のお相手の使っていたものという「色のついた」グッズだという点を強調して味わってみてもよいでしょう。

それをひとりかけて、暗く色づいた景色の部屋で鏡をのぞけば、確かに淋しすぎて笑えるとも思います。

さよなら 貝のように
無口な愛でした
さよなら みんなみんな
下手くそな落書き

女性がサングラスをかけたまま、涙を流している状態で、この歌詞の部分を想っていると考えてみましょう。

「貝のように無口な愛」というのは、まず貝が固く口を閉じたような愛だったという意味に取れますね。

男性が無口だったのでしょうか。それとも、二人の愛そのものが「無口」だったのでしょうか。

ひとつ思い浮かぶのは、二人の関係が最初から男性中心の形で回っていたのではないかということです。

無口な男性を慕うこの女性は、愛し合っていると思い込んでいたけれど、後に男性の気持ちはそこまでではなかったことに気付く。

そして、男性に甘えたり、尽くしたり、それまで自分がやってきたことが「みんなみんな下手くそな落書き」だったと振り返っているのではないでしょうか。

恋愛ごっことまでは言いませんが、自分の独り相撲に女性が気付いたということなのかもしれません。

これ以上友達の さそいをことわると
ほんとうに一人きりに なりそうな気がしてた

男性とお別れした女性は、友人との集まりにも顔を出さなくなります。

淋しくてそれどころではないのですが、心のどこかでは「これ以上友達のさそいをことわると ほんとうに一人きりになりそうな気」がしています。

こんな風に女性がうまく振る舞えないのも、

あなたにとっては終わった恋が
今でも続いてる 生き方が下手です

と、いまだ男性への想いを持ち続けているからなのですね。

「生き方が下手です」とありますから、先ほどの落書きしかり、やはり女性は自身の一途さを「下手」という名前で呼んでいるのでしょう。

ここでタイトルの「90ページの日記帳」は、女性が毎日一ページずつ男性との日々を大切に書き綴り、途切れたものだと分かります。

実際に想定された人物像は不明ですけれど、二人の関係が約三か月しか続かなかったことからして、男性は女性よりもずっと気軽に恋愛を楽しめるような人物だったとみることができるでしょうか。

さよなら 北風さえ
想い出をあつくする

サングラスを使う夏場をともに過ごし、お別れした二人。

季節は秋から冬へと進みます。

一途な女性は冷たさを増していく「北風」にさえ二人の幸福だった時間を連想し、胸を「あつく」します。

ですが、そういう自分たちのかつての姿こそが、

さよなら 貝のように
無口な愛でした
さよなら みんなみんな
下手くそな落書き

すぐ身近にあるもののようでもあり、もはや記憶の中にしかないものでもあり、すごくすごく淋しい女性は、それらに何度も「さよなら」と語り掛けずにはいられないのですね。

聴きどころ

第一に挙げたいのは、サビの村下さんの「さよなら」という歌い上げです。

とくに「ら」で翻るように上へあがる部分は、なんとも言えず、女性が当時の二人に向かって呼びかけているようで魅力的です。

音楽自体はやや古めかしく聞こえる方もいるかもしれません。

しかし、ここでも村下アニキパワーが発揮されて、歌謡曲とは言い切れない何かがあるのです(笑)

アルバム『GUITAR KOZO』にはアコースティックバージョンも収録されています。

こちらはなかなかどっしりとした仕上がりです。

⇒『GUITAR KOZO』を収録している音楽配信サービスについて

管理人の感想(あとがき)

記憶がおぼろげながら、村下さんを知って比較的初期のうちにこの曲に出会ったような気がします。

いかにも失恋した女性の心情を歌っているようで、毎度書きますが、どこかもっと隠れた何かも歌われているような感覚もして。

そして、そういう何かを現実の私たちはごく普通に感じながら生きているのだなぁなんて思ったりもしました。

もう完全に好みの問題でしょうけど、こういう女性、みなさんはどう感じますか??

昨今では性に関する認識もいろいろですので、別の表現をするならば、性別問わずこの女性のようなお相手は、みなさんはお好みですか??

(付記)隠れた曲ランク

おそらく村下さんの楽曲の中でも相当に隠れた曲だと思います。

ベスト盤にも一度も収録されず、かろうじて『GUITAR KOZO』に入ってきたときには驚きと嬉しさを感じたことを今でも覚えています。

ライブでもほとんど演奏されたことがないのではないでしょうか。

願わくは本楽曲もさらに聴かれますように……。

隠れた曲ランク=5

まとめ

今回は村下孝蔵さんの「90ページの日記帳」を解説してまいりました。ぜひ皆様もご自分なりの解釈で楽しんでみてくださいね☆

他の楽曲解説もご覧になりたい方は、歌詞全文下部↓のリンクへどうぞ。(直近の解説楽曲は「一粒の砂」でした)

90ページの日記帳【歌詞全文】

淋しい時程 よく 笑えることを
あなたと別れて 初めて知りました
コートのポケットの 中で手をつないで
歩いたぬくもりを 今でも覚えてます

茶色のサングラス あなたの忘れ物
かけても見えません 涙で曇って

さよなら 貝のように
無口な愛でした
さよなら みんなみんな
下手くそな落書き


これ以上友達の さそいをことわると
ほんとうに一人きりに なりそうな気がしてた

あなたにとっては終わった恋が
今でも続いてる 生き方が下手です

さよなら 北風さえ
想い出をあつくする
さよなら 貝のように
無口な愛でした
さよなら みんなみんな
下手くそな落書き

(作詞・作曲:村下孝蔵 編曲:水谷公生ー1982年4月21日)

この歌詞全文の引用は「90ページの日記帳」の魅力を解説するため、および閲覧者の方々の便宜のための必要によってなされたものです。

関連記事ーその他楽曲解説など

ここまでお読みくださってありがとうございました!

村下孝蔵さんには他にも素敵な楽曲がたくさんあります。

当サイトでこれまで取り上げた楽曲を改めて掲げておきますので、お時間のあるときにぜひ遊びにいらしてくださいね

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おうじゃ
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生来詩人
生まれたときから詩的な人生を送っています。村下孝蔵さんに出逢ってから、その楽曲を肌身離さず心に持ち歩いては味わってきました。

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