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村下孝蔵さんの【初恋】は永遠の青春をかたどる。歌詞の意味にみる真髄

代表曲・初恋
おうじゃ(管理人)
(記事内にプロモーションを含む場合があります)


永遠の青春をかたどった村下孝蔵さんの真髄曲「初恋は、今もなお多くの方々の心をとらえて離しません。

村下さんのデビュー4年目に発売された5thシングルである本楽曲は、オリコンチャートで週間3位を記録する大ヒット(年間では14位)となり、当時を生きていたならば知らない人がいないというほどの名曲です。

たとえば安全地帯の玉置浩二氏など、多くのアーティストによってカバーされ、一般の方々にも広く愛される「初恋」の魅力はどこにあるのでしょうか。

村下孝蔵さんの人物像・個性的な部分や、「初恋」の別バージョンなどにも触れていますので、当記事は村下さんに入門しようという方にもお楽しみいただける内容です。

すでに語られていることはたくさんありますけれど、改めて、その歌詞や世界観に迫りつつ味わってみませんか!

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参考:当サイトの村下孝蔵さん特集

当サイトでは村下孝蔵さんの全楽曲、とりわけその歌詞の意味や世界観を解説することを目標に掲げています。

⇒村下孝蔵さん楽曲解説・歌詞解題についての詳しい「考え方」はこちら

ご興味のある方は、以下の記事もお楽しみいただけるはずと自負しておりますので、お時間のあるときにどうぞ遊びにいらしてくださいませ。

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村下孝蔵さんの【初恋】は永遠の青春をかたどる。歌詞の意味にみる真髄
村下孝蔵さんの【初恋】は永遠の青春をかたどる。歌詞の意味にみる真髄

(解説楽曲例:ロマンスカー、だめですか、いいなずけ、北斗七星、夢からさめたらなど)

⇒「踊り子」など代表曲はこちら

以下でお伝えする内容は、もちろん個人的な解釈であり、味わい方にすぎません。

しかし、皆様が村下さんの楽曲を鑑賞する際の参考という意味では、新しい観点や感じ方・楽しみ方を提案できる仕上がりだと考えています

どうぞ、ひとつの遊びとして自由に、そして皆様なりに奥行きを感じ取りながら、「初恋」を鑑賞してみてください。新しい感動に出会えるはずです。

(一定の分量がありますので、すぐに「初恋」の歌詞部分の解題・解説をご覧になりたい方は、目次からジャンプ、あるいは⇒こちらからどうぞ☆)

下部には歌詞全文を用意しましたので、適宜ご利用くださいませ。

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♪当記事の著者について

当サイト管理人

新おうじゃ

名前 / Name  
おうじゃ 

職業 / Occupation
生来詩人、お米賞味マイスター、歌詞解説・鑑賞家、福話術者(家庭教師も兼業)

実績 / Achievements
生まれたときから詩的な人生を送っています。村下孝蔵さんに出逢ってから、その楽曲を肌身離さず心に持ち歩いては味わってきました。
姉妹サイトではシティポップの楽曲解説や、自身の生活の中で頂いたお米の銘柄の特徴をレビューしつつ【福話術】と題したあらゆる人の心に寄り添う記事を執筆、分野を開拓しています。

(姉妹サイト「おうじゃの福眼」プロフィールページへ遷移します)

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村下孝蔵について

村下孝蔵さんといえば「初恋」という認識が一般的には強いでしょう。

当サイト管理人は「陽だまり」(⇒解説記事へ)で村下さんに初めて触れましたが、現在では「初恋」の新たなPVが作成されるなど、真正面から出会う方も増えていると思います。

村下さんの具体的な経歴は、以下のようなものです(村下孝蔵ホームページから引用)。

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村下孝蔵さん略歴(クリックで下に開きます)

<村下孝蔵さん略歴>ー村下孝蔵HPより

1953年 2月28日、熊本県に生まれる

生家が映画館を経営していたため、映画の影響でギターに魅せられる
九州を離れ広島にてピアノの調律師をする傍ら、自主製作アルバムのレコーディングをする
1979年 CBSソニーオーディションにて最優秀アーティストに選ばれる
1980年 「月あかり」でデビュー
1982年 「ゆうこ」大ヒット
1983年 「初恋」・「踊り子」大ヒット

以降七夕コンサートを筆頭に地道なコンサートツアーを続け、年一枚のペースでアルバムを発表
1989年 「ソネット」
1991年 「アキナ」大ヒット

大ヒットを経て、他アーティスト(裕木奈江など)への楽曲提供(「りんごでもいっしょに」)を行うなど、作家としての力も発揮、「平成の歌謡曲」をめざし意欲的に制作活動を行う。
1999年 6月20日七夕コンサートリハーサル中に倒れ、6月24日(木曜日)午前11時27分、高血圧性脳内出血のため死去。

村下さんの人物像についての詳細は以下の記事にまとめましたので、お時間のある時にご覧いただければ嬉しいです。

個人的に深掘り
村下孝蔵とは何者だったのか
村下孝蔵とは何者だったのか

『初恋~浅き夢みし~』所収

“初恋”

村下孝蔵 初恋ーhide1962ableさんのチャンネルより(読み込みに時間がかかる場合がございます)

⇒現代的な解釈で制作(2022年)された公式PVはこちら(アルバムバージョン)

楽曲について

簡単に本楽曲についての情報を記しておきます(↓クリックで開きます)

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大ヒット曲「初恋」について

1983年2月25日、CBSソニーより発売。
村下さんがデビューして4年目に、5つ目のシングル曲として発表された。

2013年、熊本県水俣市に「初恋通り」が誕生。歌碑も設置された。

オリコンチャート週間3位、1983年度年間14位。
ザ・ベストテン7位、同年度年間6位。

レコード、CDや楽曲配信の形などで本楽曲をカバーしたアーティストの総計は現時点(2022年12月5日)で男性女性問わず70名・グループに上っている。
【例】ー三田寛子、香西かおり、平川地一丁目、島谷ひとみ、杏里、テレビアニメ『そらのおとしもの』、百田夏菜子(ももいろクローバーZ)、玉置浩二、吉幾三、クリス・ハート、石井竜也、つるの剛士、青田典子、Ms.OOJAなど。

詳細はWikipediaにて。

本楽曲に関して「誰が聴いても自分の初恋のことを思い出す」と評される場合があります。

村下さん自身も、セーラー服の女学生(三田寛子さんだそうです)をイメージしたという話がありますし、いかにも思春期を迎える男女が織りなす心の綾模様など、当時の時代感覚も反映した作品なのでしょう。

しかし、管理人はやや異なる理解をしています。

完成された世界観

村下孝蔵さんの作品の多くにいえることなのですが、むしろ楽曲一つひとつの世界観が完全に作り上げられ、練り上げられていて、それ自体が「アート」の感があるのです。

アートの味わい方ももちろん人それぞれなので、正解不正解を述べたいわけではありません。

今回取り上げている「初恋」にしても、一見、聴き手が自分の体験になぞらえて楽しむことも容易です。

けれど、すでにお聴きになったことのある方は、少し思い出してみてください。

実はこの曲を聴くだけで、一編の映画のように完全な世界を目の前に描くことができる感覚がありませんか??

かんむりちゃん
かんむりちゃん

当記事で初めて「初恋」に触れる方は、お聴きになる中でぜひよく味わってみてくださいね☆

その映像にせよイメージにせよ、喚起される感情にせよが、私たちのかつての体験の記憶(各々の「あの人」との)を呼び起こすのだと思うのです。

この意味で、村下さんは楽曲そのものによって、人間が経験する数々の場面、出来事、現象を描き出すことができる天賦の才を与えられていたのだ、と管理人は考えています。

……ちょっと面倒くさい言い回しになってしまい、申し訳ありません。

とにもかくにも、村下孝蔵さんの世界をもっと皆様と一緒に味わっていきたいというだけなのです(^^♪

それでは、大変、大変お待たせいたしました。

村下孝蔵さん5thシングル「初恋」の歌詞の解題・解説へ入ってまいりましょう!

解題

五月雨は緑色 悲しくさせたよ
一人の午後は
恋をして淋しくて
届かぬ想いを暖めていた

村下さんが広く世に向けて発表した最初の形ということで、シングルバージョンを念頭に置いて解題をおこなってまいります。

いかにもこれから美しい楽曲が始まるであろうイントロです。

短いドラムののちに、本楽曲のテーマともいえそうな、きらびやかで切なげで淋しげなメロディが入ってきます。

基本的な情景としては、ある男性が、かつて「初恋」を経験したときの様子を想い出しているというものですね。

その想い出はおそらく中学生前後の年代のものなのでしょう。

男性が生まれて初めて好きになったことを意識した女性は、同学年かもしれませんし、年齢差があるのかもしれません。

デモ音源などのことを考えると、村下さんが想定していたのは同学年の女子で確定と考えてよいでしょう。
けれど、ここではシングル曲「初恋」という楽曲そのものを直接に味わうことを目指します。

五月雨とともに初めての恋を知る少年

女性に恋をするという経験が初めての男性(少年)は、あるとき、それを自覚しました。

そのときから、まだ冷たさも残る「五月雨」が、萌え立つ木々の色を映して「緑色」に光っていることにも気付きます。

世界の色が一変し、温かさを増していく中で、少年はなぜかこの美しい光景が自分の心を「悲しくさせ」るものであることも感じます。

それは少年が「一人の午後」を過ごしているときの出来事でした。

少年が見つめる雨は草木をみずみずしく濡らし、街をも輝かせ、夏へ向かう季節の移り変わりも内包しています。

けれど、「恋をして」いる自分の気持ちに気付いた少年は、自分自身の心も雨になって溶けてしまうような、涙が出てきそうな、それでいてうれしくも恥ずかしくもあるような想いを抱え「淋しくて」、立ち止まっています。

女性の表情、身体、手足の動かし方、きれいな声、黒髪が緑色の風に揺れ、白い日差しに照らされる様子。

少年にとって、毎日会ったり見かけたりするくらい距離が近いのに、全く別の世界にいるかのような遠い存在に感じる女性に対して「届かぬ想いを」、一人で過ごす間ずっと「暖めて」いました。

何を望んでいるのか自分でも分からない心

好きだよと言えずに 初恋は
ふりこ細工の心

少年は自分でも何を望んでいるのか分かりません。

ただ、あの女性と話してみたい、声を聴きたい、一緒に歩いてみたい。その手に触れてみたい。

そうした想いは少年の気持ちに関わらずあふれてきて、そう想えば想うほど女性に「好きだよと言えずに」少年は苦悩します。

「初恋」がどういうものかさえ、少年は知るはずもありません。

女性に気持ちを伝えたいという思いと、迷惑だったらどうしよう、嫌がられたらどうしようといった不安・心配に、少年の心は「ふりこ細工の」ようです。

女性と話せず過ごした夕方、帰り道を歩いていると、不意に決心がついて、明日にも告白しようと思います。

しかし、家に帰って普段の生活をし、次の朝になってみれば、その決意はどんどんやわらかくなり、学校で女性の姿を目にすれば一度にしぼみます。

女性を見つめる少年の夢

放課後の校庭を走る君がいた
遠くで僕はいつでも君を探してた
浅い夢だから 胸をはなれない

次の日の「放課後」、少年は「校庭を走る」女性の姿を目にしました。

この部分は、いわゆる文化部の女子がたまたま(?)グラウンドを走っていると理解することも不可能ではありません。
でも、やや内気にみえる少年が活発な女子に想いを寄せるという気配を持つ本楽曲においては、運動部に所属する女子だとみるのが自然でしょう。

少年も部活動をやっていて、その合間に、同じ校庭で走っている女性を見つめていると捉えてもよいでしょう。

ただ「遠くで」少年は「いつでも」女性を「探してた」ということからすると、少年は一人で放課後の時間を過ごしているはずです。

用事もなく一人で校庭を訪れた少年が、元気に走って真剣に部活動に打ち込み、ときに笑顔をこぼし、仲間たちと触れ合っている女性の姿を見守っているという情景がもっともしっくりくる気がします。

何を求めたのでもなく、本当に好きになった女性に想いを馳せるこの様子は、何より確かだけれど淡く「浅い夢だから」、どれほど時が流れても少年(男性)の「胸をはなれない」のですね。

ふりこ細工のままの初恋

夕映えはあんず色 帰り道一人
口笛吹いて
名前さえ呼べなくて
とらわれた心見つめていたよ

また次の日も、少年は一人で下校します。

女性への気持ちが膨らみに膨らんで、熟れていった心を映すように「夕映えはあんず色」に輝きます。

自分の足元まで紅く照らす夕日の中、「帰り道」で「一人口笛吹い」た少年は肩を落とします。

やっぱり「名前さえ呼べなくて」、自分は女性のことが好きなのだろうか、本当はそうじゃないのだろうか?

女性への想い、その想いを自分で確認する気持ち、それらがぐるぐると中で廻る「とらわれた心」を少年は「見つめて」いました。

夕焼けは少年の心ばかりでなく、その両脚が踏みしめる地面も溶かしてしまいそうです。

好きだよと言えずに 初恋は
ふりこ細工の心

こんなに大切に想う女性に軽々しく「好きだよと言え」るはずもない。

第一、自分の気持ちがどういうものなのか、よく分かっていないのだから。

けれど、あふれてくる想いは自分にもどうしようもない。

少年にとっての「初恋は」このように揺れ動く「ふりこ細工の心」そのもののことでした。

永遠に胸を離れない青春

風に舞った花びらが
水面を乱すように
愛という字書いてみては
ふるえてた あの頃
浅い夢だから 胸をはなれない

春を迎えて咲き誇った花々の中には、はや散り始めるものがあります。

散って「風に舞った花びら」が季節の透明な空を映す水へと落ちるときには、その「水面を乱す」ことで移り変わる時間を知らせます。

同じように、自分の気持ちを問いかけ続け「愛という字書いてみては」、少年は一人ずっと「ふるえて」いました。

そのうちに、クラス替えや転校、卒業など時間や環境は移り変わり、女性と会う機会はなくなります。

そんな「あの頃」の様子は、時の経った今でも、はっきりとしていながらやさしく「浅い夢だから」、いつまでも「胸をはなれない」。

放課後の校庭を走る君がいた
遠くで僕はいつでも君を探してた
浅い夢だから 胸をはなれない

男性のまぶたには、もうその当時の女性の顔は浮かんでこないかもしれません。

しかし、少年の頃「放課後の校庭を走る」女性を求め、「遠くで」自分の高鳴る胸を抱えながら「いつでも」その姿を「探してた」記憶はなくなることがありません。

そのような少年自身、女性の姿、それを経験している少年時代そのものが、純粋にあざやかな、もはや移ろい流れた「浅い夢だから」こそ、永遠に「胸をはなれない」のです。

「初恋」という誰もが経験する事柄を題材に、どこまでも自分を見つめる美しさや切なさ、尊さをすべて描き切った究極の名曲ですね。

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※アルバムタイトルについての追記

収録アルバムのタイトルに含まれる『浅き夢みし』の部分は、「いろは唄」という平安時代に成立したとされる文章(誦文・ずもん)に着想を得ていると考えられます。

仮名47音を重複なく全部使った、文字練習のための文章とされていますが、内容的には仏教的な無常観を語ったものと解釈されてきているそうです。

現世の物事は例外なく移り変わる仮のものであるから、夢想などせず、現実の出来事に酩酊もせずにいよう、という意味合いだそうです。

このことと、村下さんがアルバムタイトルに用いたこととの関連がどのようなものなのかは不明ですが、過ぎ去ってしまった「初恋」は「浅い夢」だという表明は、いろは唄が前提としている世界観とそう遠くないようにも感じられますね。

聴きどころ

解題の冒頭でも触れましたが、イントロの段階で明らかに名曲が始まると分かります。

相当に練り直されたらしいという話もありますし、本楽曲にかける村下さんや関係者の方の熱意が直に表現されていると思います。

村下さんの声に多少エフェクトがかかっているように聞こえるところも、淡い初恋の記憶をたどる本楽曲のテーマによく似合っていますね。

コード進行が難しいことも本楽曲の特徴といわれています。

ライブ映像などを見ると、場面によっては左手がほとんど一ストロークごとに入れ替わっているのが分かりますね。

おうじゃ
おうじゃ

ギターの上手な方にとってはさほどの難度ではないのかもしれません。
でも、すでに書いたように、村下さんの場合はギターを持った方が歌もうまいというのが面白いところです。

初期バージョンの存在

本楽曲は、当初異なるバージョンで演奏されていました。

もともとは村下さんのメジャーデビュー前の自主制作盤『それぞれの風』に含まれていた楽曲で、それをアレンジしてシングル曲としたといわれています。

二つの音源がありましたので、それぞれの歌詞を確認してみましょう。

<デモ音源1>

幻の「初恋」村下孝蔵さん デモ音源ーtaka matsu さんのチャンネルより

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当バージョンの歌詞
五月雨は緑色 悲しくさせたよ
一人の午後は
名前さえ呼べなくて
とらわれた心見ているだけ
好きだよと言えずに 初恋は
ふりこ細工の心
放課後の校庭を走る君がいた
遠くで僕はいつでも君を探してた
浅い夢だから 胸をはなれない
夕映えはあんず色 帰り道一人
口笛吹いて
恋をして淋しくて
届かぬ想いを暖めていた
どうしてなんだろう あの頃を
いつも思い出してる
君はただのクラスメイト
今はどこにいる
愛と書いてみては
心ふるわせていた
浅い夢だから 胸をはなれない
放課後の校庭を走る君がいた
遠くで僕はいつでも君を探してた
浅い夢だから 胸をはなれない

公式バージョンと比べて、一番と二番で歌詞の逆転した部分がある点と、「クラスメイト」などのカタカナが使われている点が新鮮ですね。

音符と歌詞の符合具合もやや違っています。

<デモ音源2>

もう一つの別のデモ音源(別の歌詞バージョン)です。

こちらはアップ主さんが、アルバムバージョンに初期バージョンをつなげた編集をなさったものですね。

初恋 村下孝蔵   初期デモ版歌詞サプライズーくろうさぎさんのチャンネルより

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当バージョンの歌詞(公式と異なる部分を抜粋)
鮮やかな虹のように 心ときめかせ
通りすぎた日
あの頃が甦るモノクロの世界
初恋の人
張り裂ける想いさえ 言えないで
遠くから見てただけ
きみが笑う走る姿 今でも焼き付いて
取り戻せないふるえた心 けがれた胸の奥
今はもう誰も あの頃のように
どうしてなんだろうあの頃を いつも思い出してる
君はただのクラスメイト 今はどこにいる
愛と書いてみては心 ふるわせていた
浅い夢だから 胸をはなれない

公式バージョンではカットされた間奏部分だけでも、雰囲気がビンビンに伝わってきてすばらしいです。

ただ、完成形と比較すると、個人的にやっぱり完成形がとても見事なのだということも感じるところです。

もちろん、完成形を先に聴いているからというのも理由でしょうね(笑)

(追記)有志の方による「初恋」40周年ビデオ

YouTube上で有志の方が2023年の「初恋」発売40周年を記念して、自主制作ビデオ(音源はアルバムバージョン)を公開なさっています。

村下さんへの愛にあふれた素敵な映像ですね。

【40周年】初恋 – 村下孝蔵 (非公式) / I” HATSUKOI” 40TH ANNIVERSARY VERSION – KOZO MURASHITAー名無星さんのチャンネルより

管理人の感想・コメント

管理人が最初に本楽曲と出逢ったのはいつだったでしょうか……。

上でも述べたように、「陽だまり」で村下さんに触れた後、声の美しさ、ふくよかさや楽曲の爽やかさに惹かれて、ベストアルバムを購入したのだったと思います。

おうじゃ
おうじゃ

確か「歌人~ソングコレクション~」というアルバムです。

このアルバムには村下ワールドが形作られていく過程を示すような曲が並んでいて、中でも曲順のど真ん中に配置された「初恋」の導入部の雰囲気に、まず打たれました。

たぶんすでに言われていることではないかと思いますけれど、「胸をはなれない」のは、まさに村下さんの楽曲「初恋」それ自体なのではないでしょうか。

当サイトの理念(個人的なものですが笑)に照らしていえば、この「初恋」は、私たちが改めて私たち自身に出逢い、発見していくこと(このことを「初恋」と呼ぶイメージのつもり)を描いているともいえそうです。

自分自身という、最も近くて遠く、不思議に満ちて美しく、どこまでも豊かな存在に触れさせてくれる究極的な楽曲のひとつであると考えます。

それほどの楽曲に出逢えたことに感謝しています。

そして、ありがとう、村下さん!

初恋【歌詞全文】

五月雨は緑色 悲しくさせたよ
一人の午後は
恋をして淋しくて
届かぬ想いを暖めていた

好きだよと言えずに 初恋は
ふりこ細工の心
放課後の校庭を走る君がいた
遠くで僕はいつでも君を探してた
浅い夢だから 胸をはなれない


夕映えはあんず色 帰り道一人
口笛吹いて
名前さえ呼べなくて
とらわれた心見つめていたよ

好きだよと言えずに 初恋は
ふりこ細工の心
風に舞った花びらが
水面を乱すように
愛という字書いてみては
ふるえてた あの頃
浅い夢だから 胸をはなれない

放課後の校庭を走る君がいた
遠くで僕はいつでも君を探してた
浅い夢だから 胸をはなれない

(作詞・作曲:村下孝蔵ー1983年2月25日)

この歌詞全文の引用は「初恋」の魅力を解説するため、および閲覧者の方々の便宜のための必要によってなされたものです。

関連記事ーその他楽曲解説

ここまでお読みくださってありがとうございました!

拙い文章だったと思いますけれど、「初恋」の魅力を少しでも皆様と共有できていましたら本望です。

ひとこと

本楽曲の解題は、たとえば昨今のジェンダー等に関する問題について何らかの立場を表明したり、強制したりするものではありません。

歌詞に基づき、男性と女性という対比をメインに解釈をおこないましたが、どのような関係性においても成立しうる感覚、感情を歌っているものだと理解しています。

皆様もどうか、楽曲の歌詞を味わいつつも、それによってこの「初恋」の魅力を限定せず、自由に楽しんでいただけたらと思います。

村下孝蔵さんには他にも素敵な楽曲がたくさんあります。

当サイトでこれまで取り上げた楽曲を改めて掲げておきますので、お時間のあるときにぜひ遊びにいらしてくださいね☆

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