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村下孝蔵さんの20thシングル【16才】歌詞の意味や世界観を徹底解説&鑑賞!

村下孝蔵 16才 アイキャッチ
おうじゃ(管理人)
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村下孝蔵さんを昔からご存知の方も、新たに出会った方も、ようこそいらっしゃいました!

当記事では、「とまりぎ」及び「哀愁物語~哀愁にさようなら~」に引き続き、順番を前後して20thシングル「16才」を解説・鑑賞してまいります。

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参考:村下孝蔵さん楽曲解説特集🎸

当サイトは非公式のファンサイトであり、ファンの皆様がご自身なりに楽しめる場を提供することを目的としています。同時に、村下孝蔵さんの全楽曲、とりわけその歌詞の意味や世界観を解説することを主たる目標に掲げています。

⇒村下孝蔵さん楽曲解説・歌詞解題についての詳しい「考え方」はこちら

ご興味のある方は、以下の記事もお楽しみいただけるはずと自負しておりますので、お時間のあるときにどうぞ遊びにいらしてくださいませ。

↓↓↓

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村下孝蔵さんの20thシングル【16才】歌詞の意味や世界観を徹底解説&鑑賞!
村下孝蔵さんの20thシングル【16才】歌詞の意味や世界観を徹底解説&鑑賞!

(解説楽曲例:ロマンスカー、だめですか、いいなずけ、北斗七星、夢からさめたらなど)

⇒「踊り子」など代表曲はこちら

もちろん個人的な解釈であり、味わい方ですので、皆様が村下さんの楽曲を鑑賞する際のひとつの参考となれたならば幸いです。

それでは、早速「16才」の解説に入っていきましょう!

下部に歌詞全文を用意しましたので、適宜ご利用くださいね。

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🎵 当記事の著者について

当サイト管理人

新おうじゃ

名前 / Name  
おうじゃ 

職業 / Occupation
生来詩人、お米賞味マイスター、歌詞解説・鑑賞家、福話術者(家庭教師も兼業)

実績 / Achievements
生まれたときから詩的な人生を送っています。村下孝蔵さんに出逢ってから、その楽曲を肌身離さず心に持ち歩いては味わってきました。
姉妹サイトではシティポップの楽曲解説や、自身の生活の中で頂いたお米の銘柄の特徴をレビューしつつ【福話術】と題したあらゆる人の心に寄り添う記事を執筆、分野を開拓しています。

(姉妹サイト「おうじゃの福眼」プロフィールページへ遷移します)

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『同窓會』所収

“16才”

なかよしこよしがうれし
ひとりぼっち大きらい
電話きって またかけて 何がこわいの

解題

安全地帯の武澤豊さんが編曲を担当した本楽曲は、村下さんの作品の中でもリッチな雰囲気を持っていると思います。

冒頭の疾走感やエレキギターのシャープな響きが安全地帯の味わいをどことなく感じさせますね。

基本的な場面設定としては、語り手である男性が現在の男女関係のあり方(特にタイトルに照らすと思春期の人々)、さらには人間のあり方を、自分自身の振る舞いも含めて見つめているというものでしょうか。

もちろん、この男性にも念頭に置いているお相手の女性がいるのかもしれませんが、本楽曲は二人の男女を取り出して語るという印象をさほど与えません。

男性は知人や自分のお相手の女性、その他の人々の様子を、近く遠く見つめています。

おうじゃ
おうじゃ

村下さん本人の目線ということもできそうですね。

ある女性は恋人とぴったりくっついて、どんなときも離れないほど「なかよしこよしがうれし」いと思っています。

自分「ひとりぼっち」なんて耐えきれなくて「だいきらい」だから、身体が離れていてもずっと一緒にいたくてかけていた「電話」を「切って」もすぐに「またかけて」いるのです。

この様子に触れて、男性は「何がこわいの」だろうと感じながら、自分の心の中も探ります。

ある夜、一人で過ごしていて急に悲しくなったこと。夕焼けの道を帰るときに不意に切なくなったこと。友と語り合って言葉を闘わせ、そのまま別れて苦しかったこと……。

泣き虫こむし弱虫 みんな同じカゴのなか
「あのさ、ゴメンネ、そうそう」
くりかえしてる

想いを寄せた相手とむつまじく過ごし、それから離れ離れになったことも思い出されます。

ここまで想起して、男性は自分が何度も心の中で涙を流して生きてきたことに気付きました。それは外観上どのように見える人間にも必ず含まれている要素で、誰しも「泣き虫こむし弱虫」です。

人間は「みんな」自分の進んできた道を悔やんだり、誇らしく感じたりしながら、人間という「同じカゴのなか」でそのたびに生まれるいろいろな気持ちと戯れて「あのさ、ゴメンネ、そうそう」と互いに「くりかえしてる」。

自分もそのような人間の一員であることから考えると、

ぼくが ほしいものは 何?
ぼくの 未来なら そこにある

いったい「ぼくが ほしいものは 何」なのだろうか?

今までもこれからも、同じようにさまざまな体験や気持ちや感情を受け止めて、人間として生きていく自分がほしいものを男性は自問します。

それがはっきりと分かれば「ぼくの 未来なら」そうした自分のほしいものの存在する「そこにある」はずだ。

こうしてみてくると、語り手の男性も16才であると理解しても味わい深い……というよりむしろ自然かもしれませんね。

*だから ライラライラ 踊るだけ
 花になるまで きれいな色に変わるまで
 だから ライラライラ 回るだけ
 風になるまで 急げ 十六の夜をいけ

しかし、たった今の段階では、男性には自分が真に「ほしいもの」は明確に掴めませんでした。

「だから」こそ、ここに熱く存在する身体と心で自分の踊りを「ライラライラ 踊るだけ」だ。それが花になるなら「花になるまで」、そのものの色を表すならば「きれいな色に変わるまで」。

ライラライラについて

谷村新司さんの歌でも耳にしたことがある方がいらっしゃるでしょうか。

スキャット(意味のない音声で歌うこと)の一つだとも考えられますが、「ライラ」はユダヤ教やキリスト教に伝わる受胎を司る天使だそうです。

この世に生まれる前の子の魂を母親の胎内へと導く役目を持ち、子に将来のことを教えるけれど、子がこの世に誕生する瞬間にそのことを忘れさせるのだそうです(Wikipediaより)。

仮にこのイメージが本楽曲に込められているとすれば、さらに趣が加えられますね。

この踊りがすぐに何かをもたらすものかは分からない、けれど、他に自分のできることはないの「だから ライラライラ」右も左もなく自分の軸を「回るだけ」。

そうしてこの自分の「風になるまで」回り続けよう……「急げ」!

どんなものも取り込み、昇華し、美しく変貌させる力を秘めた「十六の夜を」自分自身の脚で「いけ」!

「十六の夜」とは、文脈的に16才の人が過ごす夜という意味だと考えられます。

しかし、月齢を表す十六夜(いざよい)の含みもあると読み取ると、満月が終わり月が欠けていく最初の夜ですので、また違った味わい方になりそうです。

坂道 野道 寄り道
どこまでも一緒にいくよ
ウソなんてつかないから それがもうウソ

また別の場所では、とある男性か少年が話しています。

つらい「坂道」、いばらの「野道」、思わぬ「寄り道」その「どこまでも一緒にいくよ」と恋人に向けて強い瞳を輝かせて言います。

「ウソなんてつかないから」と恋人を見つめて宣言する男性は、自分がこれからどんな道をたどるのか知らないのだから、もちろん「それがもうウソ」であることを知っているのですね。

寝転び 遊び 待ちわび いつも違う夢のなか
「そうさ、だって、しょうがない」
うなだれている

この二人の男女は、ともに「寝転び」笑い合って「遊び」、ある日には互いに「待ちわび」ているけれど、実際には「いつも違う夢のなか」を生きています。

どちらもそれぞれを想い合っているはずなのに、どうしてなのか「そうさ、だって、しょうがない」と二人で語って、どうもしがたく「うなだれている」。

語り手の男性は、そうした二人の姿を目にして自分を見つめます。

ぼくに できることは 何?
ぼくの 答えなら ここにある

こうやって生きていく人間の中で、いったい「ぼくに できることは 何」なのだろうか?

おそらく、それは各自が見つけ出すしかないのかもしれない。「ぼくの 答えなら」やっぱり「ここにある」身体と心で描いていくのだ。

だから ライラライラ 歌うだけ
星になるまで 小さな勇気つかむまで
だから ライラライラ 傷つくだけ
朝になるまで 急げ 十六の夜をいけ

もう迷うことはない。「だから ライラライラ」自分の心と声で「歌うだけ」、それが天に届き、人々に届き、自分自身の「星になるまで」

誰しも同じようにその自分の星を見つめて、この世界を生きていく「小さな勇気つかむまで」。

つらいこともうれしいことも、悲しいことも楽しいこともあるだろう。「だから」自分の身体と気持ち一つでたくさん「傷つくだけ」、それが新しい次の「朝になるまで」。

急げ! 二度とはないこの「十六の夜をいけ」!

*くりかえし

それから、自分の道を進む語り手の男性の心には、十六の夜の決意と表明がずっと「*くりかえし」ているのでした……。

人が人として生きる姿をいくつかの情景から切り取り、一人の男性の心情に乗せてある種の教訓ともいえそうな示唆を与えてくれる大名曲ですね。

聴きどころ

武澤豊さんの編曲によるものなのでしょうか、熱い感情を呼び起こすようなイントロは実に見事です。

個人的には「だめですか?」や「一粒の砂」とも通じる世界観にも感じますね。

村下さんの音楽活動の後期に発表された楽曲ですので、歌唱に丸みが増しているのも聴きどころでしょう。

エンディングの「ライラライラ~」もどこか遠くへ広がっていくような空気を持っています。

管理人の感想(あとがき)

とにかくカッコいい曲だというのが最初の印象でした。

「北斗七星」などもカッコいいのですが、安全地帯の武澤さんが参加しているせいか、村下さんのふくよかなカッコよさにシャープさが加わって、それでいて一般的なロックや歌謡曲の方向にも傾かず、独自のカッコよさが完成されていると思います。

ギターも響かせることができるし、勝手な推測ですが村下さんご自身もけっこう好きな部類の楽曲だったのではないでしょうか。

それでは、皆様もいろいろな解釈で「16才」を味わってみてくださいね☆

16才【歌詞全文】

なかよしこよしがうれし
ひとりぼっち大きらい
電話きって またかけて 何がこわいの
泣き虫こむし弱虫 みんな同じカゴのなか
「あのさ、ゴメンネ、そうそう」
くりかえしてる

ぼくが ほしいものは 何?
ぼくの 未来なら そこにある

*だから ライラライラ 踊るだけ
 花になるまで きれいな色に変わるまで
 だから ライラライラ 回るだけ
 風になるまで 急げ 十六の夜をいけ


坂道 野道 寄り道
どこまでも一緒にいくよ
ウソなんてつかないから それがもうウソ
寝転び 遊び 待ちわび いつも違う夢のなか
「そうさ、だって、しょうがない」
うなだれている

ぼくに できることは 何?
ぼくの 答えなら ここにある

だから ライラライラ 歌うだけ
星になるまで 小さな勇気つかむまで
だから ライラライラ 傷つくだけ
朝になるまで 急げ 十六の夜をいけ

*くりかえし

(作詞・作曲:村下孝蔵 編曲:武澤豊ー1996年6月21日)

この歌詞全文の引用は「16才」の魅力を解説するため、および閲覧者の方々の便宜のための必要によってなされたものです。

関連記事ーその他楽曲解説など

ここまでお読みくださってありがとうございました!

村下孝蔵さんには他にも素敵な楽曲がたくさんあります。

当サイトでこれまで取り上げた楽曲を改めて掲げておきますので、お時間のあるときにぜひ遊びにいらしてくださいね

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