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村下孝蔵さんの10thシングル【ねがい】歌詞の意味や世界観を徹底解説&鑑賞!

村下孝蔵 ねがい アイキャッチ
おうじゃ(管理人)
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村下孝蔵さんを昔からご存知の方も、新たに出会った方も、ようこそいらっしゃいました!

当記事では、9thシングルA面「かざぐるま」、同シングルB面「幸せの時間」に引き続いて10thシングルA面「ねがい」を解説・鑑賞してまいります。

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参考:村下孝蔵さん楽曲解説特集🎸

当サイトは非公式のファンサイトであり、ファンの皆様がご自身なりに楽しめる場を提供することを目的としています。同時に、村下孝蔵さんの全楽曲、とりわけその歌詞の意味や世界観を解説することを主たる目標に掲げています。

⇒村下孝蔵さん楽曲解説・歌詞解題についての詳しい「考え方」はこちら

ご興味のある方は、以下の記事もお楽しみいただけるはずと自負しておりますので、お時間のあるときにどうぞ遊びにいらしてくださいませ。

↓↓↓

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村下孝蔵さんの10thシングル【ねがい】歌詞の意味や世界観を徹底解説&鑑賞!
村下孝蔵さんの10thシングル【ねがい】歌詞の意味や世界観を徹底解説&鑑賞!

(解説楽曲例:ロマンスカー、だめですか、いいなずけ、北斗七星、夢からさめたらなど)

⇒「踊り子」など代表曲はこちら

もちろん個人的な解釈であり、味わい方ですので、皆様が村下さんの楽曲を鑑賞する際のひとつの参考となれたならば幸いです。

それでは、早速「ねがい」の解説に入っていきましょう!

下部に歌詞全文を用意しましたので、適宜ご利用くださいね。

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🎵 当記事の著者について

当サイト管理人

新おうじゃ

名前 / Name  
おうじゃ 

職業 / Occupation
生来詩人、お米賞味マイスター、歌詞解説・鑑賞家、福話術者(家庭教師も兼業)

実績 / Achievements
生まれたときから詩的な人生を送っています。村下孝蔵さんに出逢ってから、その楽曲を肌身離さず心に持ち歩いては味わってきました。
姉妹サイトではシティポップの楽曲解説や、自身の生活の中で頂いたお米の銘柄の特徴をレビューしつつ【福話術】と題したあらゆる人の心に寄り添う記事を執筆、分野を開拓しています。

(姉妹サイト「おうじゃの福眼」プロフィールページへ遷移します)

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『かざぐるま』所収

“ねがい

まるで雫が葉をすべり
虹がきらめく雨上がり

解題

ポップさと優しさの混ざり合ったようなイントロで始まる本楽曲。

よく聴いてみると、悲しみを感じさせず、しかしただ明るいのでもなく、情緒に奥行きを持ったメロディが全編にわたっているのが感じられます。

基本的な場面設定としては、父親である男性が、自分の息子または娘を見つめる毎日の視線を描いているという感じでしょうか。

どうやら村下さんは本楽曲の発表の頃にはかなり体調を崩していたようですが、その辺りももしかしたら本楽曲の雰囲気に関係しているかもしれません。

深読みすぎるとは思うのですけど、どことなく語り手の男性自身の身体が弱いのか、病み上がりなのかという印象も感じるのですよね。

ある春先の日、空のほこりを払うようにやわらかく振っていた雨が止みました。

心地よい青空が現れて、それは「まるで」光り輝く「雫が」緑色に照る「葉をすべり」、浮かぶ「虹がきらめく」のをめがけて飛び立つような「雨上がり」でした。

男性自身の爽やかで穏やかな気分が表現されている情景ですね。

君を見つめているだけで
心が洗われる

雨が止んだので外へ遊びに出たいとせがむ子どもを連れて、男性は家の庭か近くの公園に出ています。

日差しを反射する水たまりを飛び跳ねる無邪気な子を「見つめているだけで」、その飛び散る水しぶきとともに、自分の「心が洗われる」のを男性は感じます。

こんなに素直で、裏と表のない、そのままに生命が表現されることが、人間にとってあり得るのか……と、自分の過去も振り返りながら、男性は子を見つめ続けます。

レモンをかじって 眉しかめ
くすくすわらった天使のような声
こわれやすい素直な気持ち
無くさないで

ある午後には、子どもが洗ったままの「レモンを」直接「かじって」、苦さと酸っぱさに細い「眉」を大きく斜めに「しかめ」るのを見ます。

子がレモンの皮を吐き出すのでもなく、口の中のものを困ったように味わいながら「くすくすわらった」様子は、まるで無垢の「天使のような声」が響いているかとも思えました。

男性は次々と別のことをする子を見守りながら、心の中で『ねがい』ます。

そうやって恐れや打算や批判や粉飾のない心は本当に「こわれやすい」。

自分の「素直な気持ち」を自分で感じ取って、表現する、それはどんなときにも必ずできるのだから、その気持ちを「無くさないで」生きていってほしい。

朝焼け浴びて ほらごらん
燕が宙を切る

次の朝早く起き出して、一緒に外を散歩する男性は、美しい赤紫の「朝焼け」を正面から「浴びて」顔を真っ赤にしている子に向かって語ります。

「ほらごらん」君と同じように自由な「燕が」軽やかに「宙を切る」のが見えるだろう?

ああやってこれからも過ごしていくんだよ……。

洗いたての髪 風にとけ
蝶が舞うように 自由に飛んでゆけ
人の色が混ざった都会に
染まらないで

夏のある日には、男性は一緒に風呂に入った後で、子を連れて近所を歩きます。

「洗い立ての」細く繊細な「髪」がはらはらと「風にとけ」、空気を含んでまるで「蝶が舞うように」なびいています。

湯上りのさっぱりした顔で見上げる子に笑いかけて、男性は何も縛るものはないから「自由に飛んでゆけ」と祈るのでした。

大人になると……いや、本当は大人か子どもかなんて関係がないけれども、人は自分で良し悪し美醜高低さまざまな色を抱えるようになってしまう。

そんな「人の色が」区別できないほどに「混ざった都会に」、君は「染まらないで」そのままに生きていくのだよ。

後年の作品「16才」(アルバム『同窓會』所収)などでも、村下さんは子どもたちの生き方、心のあり方に目を向けていたとも言われています。本楽曲でも近い目線を感じますね。

季節が移るたび、男性は同じ想いを強くしています。

まるで真冬の路地裏で
炎ゆらめく窓の中
黙ってそばにいるだけで
心が熱くなる

一日一日と成長し、変化しないことのない子とともに過ごすうち、また冬がやってきました。

外は雪さえも降りそうな寒さですが、子と一緒にいるこの場所は「まるで真冬の」人の少ない「路地裏で」、静かに熱く燃える「炎」が「ゆらめく」ようです。

その成長という自然の炎が燃えゆく方向を測っている「窓の中」で、あえて何かを言うでもなく「黙って」子の「そばにいるだけで」男性は自分の「心が熱くなる」のを感じます。

子の心は男性が影響を与えることのできるものでもなく、操作できるものでもない。見守ることしかできないのはもどかしいけれど……。

君を見つめて
黙ってそばに

暑いほどの部屋の中で遊ぶ子「を見つめて」、男性は再び思います。

どうか、こうして「黙ってそばに」いて、見守ることこそが真の『ねがい』を君に届けていることになればいい……。

たくさんのものを吸収し、消化し、身に着けながらこの世を渡っていかざるを得ないのは人間の宿命かもしれません。

同じものを最愛の子の姿の中にも感じつつ、苦悩の原因ともなるその宿命をわずかでも逃れ素直に生きていってほしいと願う親の愛情を描いた名曲ですね。

聴きどころ

冒頭でも書きましたが、そこまで劇的でもなく、ポップとさえいえそうな音楽で本楽曲は進んでいきます。

特別聴きどころがあるわけでもないように思えて、しかしいつの間にかこちらも胸が熱くなるような、盛り上がってしまうような感覚になるのですよね。

このこと自体が聴きどころでしょうか(笑)

村下さんの楽曲は全部サビだと言われることも多いですが、本楽曲もそれに近いものがある気がします。

管理人の感想・あとがき

最初に聴いたときには、そこまで注目していなかったと思います。

でも、歌詞の内容と相まって、聴き込むうちに村下さんの発想というか世界観が濃く現れた作品だと理解するようになりました。

思えば恋愛がらみではない楽曲を当サイトでご紹介するのは、隠れた名曲と題した記事に含まれる「一粒の砂」以来かしら……。

ぜひ、皆さんも自分なりの解釈で「ねがい」を味わってみてくださいね☆

ねがい【歌詞全文】

まるで雫が葉をすべり
虹がきらめく雨上がり
君を見つめているだけで
心が洗われる

レモンをかじって 眉しかめ
くすくすわらった天使のような声
こわれやすい素直な気持ち
無くさないで

朝焼け浴びて ほらごらん
燕が宙を切る


洗いたての髪 風にとけ
蝶が舞うように 自由に飛んでゆけ
人の色が混ざった都会に
染まらないで

まるで真冬の路地裏で
炎ゆらめく窓の中
黙ってそばにいるだけで
心が熱くなる

君を見つめて
黙ってそばに

(作詞・作曲:村下孝蔵 編曲:水谷公生ー1986年11月21日)

この歌詞全文の引用は「ねがい」の魅力を解説するため、および閲覧者の方々の便宜のための必要によってなされたものです。

関連記事ーその他楽曲解説など

ここまでお読みくださってありがとうございました!

村下孝蔵さんには他にも素敵な楽曲がたくさんあります。

当サイトでこれまで取り上げた楽曲を改めて掲げておきますので、お時間のあるときにぜひ遊びにいらしてくださいね

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生まれたときから詩的な人生を送っています。村下孝蔵さんに出逢ってから、その楽曲を肌身離さず心に持ち歩いては味わってきました。

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