チャットGPTやAIの拡大とともに、人間はより「人間らしい」未来へ向かう【福話術15】
チャットGPTの話題が急速に広まったと思えば、すでにさまざまな場面で活用され、私たちの誰もが簡単に触れられるようになりました。
次に気にかかるのが、このままさらにチャットGPIをはじめとするAIの活用が進んでいくと「人間はどうなってしまうのか」という点ですね。
AIがすべてのことをやってのけて、わしらなど不要になるんじゃないか? せっかく80年もの期間坐禅をしてきたのに、何の意味もなかったことになるのか……?
この問題に関しては、AIが爆発的に広がる草創期の段階にある現在、専門家の方々も予測しきれていませんし、答えを持っていません。
しかし、AIの利用が拡大する社会を生きるのは、他でもない私たち自身なのです。
ならば、あくまで普通の人間として、AIその他の技術とともに人間がどのように変化していくのか、私たちなりに簡単な言葉を使いながら考えてみることこそが大切でしょう。
自分がここでこうしていて、感じ、考えることを大切に
端的には、これが人間が進んでいく方向だと考えています。
この記事をお読みいただくことで、やや「得体のしれない」ものとも思われがちなチャットGPT、AIなどの新技術に関して自分なりの関わり方や理解の仕方ができるようになるはずです。
どうぞ、最後までお付き合いくださいませ☆
チャットGPTは人間の代わりとはならない
試しに、ご本人(チャットGPT)に尋ねてみましょう。
「あなたは人間に取って代わるの?」という質問に対する答えは、次のようなものです。
私はAIアシスタントとして、人間の助けとなることを目指していますが、人間に完全に取って代わることはありません。私は、大量のデータや情報を処理し、質問に答えることができますが、感情や人間らしい直感、創造力、人間関係のスキルなど、人間特有の能力を持っていません。
私の目的は、人間の仕事や日常生活をサポートし、効率を向上させることです。私は、ルーチンワークや情報検索、文章作成など、人間に代わって一部のタスクを実行できますが、私たちAIと人間は協力し合い、お互いの強みを活かすことが最も理想的な関係だと考えています。
人間の助けになるのを目指していることや、人間特有の能力を持ち合わせていないことなどを理由に、人間に「完全に取って代わることはない」と述べています。
また、人間と協力し合ってお互いの強みを活かすことが理想的とも答えてくれていますね。
「効率」を向上させることが目的、とはっきり言っているのも注目です。(参考:AIに仕事を奪われる?【私たちはすでにAI】なのでは?)
人間の助けという「人間」とは何か
チャットGPTくんが助けになりたいという「人間」とは、どういう存在なのでしょうか。
話が大きすぎるとお感じになるかもしれませんが、AIの発達がめざましい今日、この視点は以前よりも具体性をもってきています。
また質問してみましょう。
「あなたが考える人間とは、どういう存在ですか?」
大変長い答えを返してくれました。(チャットGPTくんの返事をそのまますべて転載しています。)
私はAIとしての視点から、「人間」とは知的で感情豊かな生物であり、他の生物やAIとは異なる独自の特徴を持っている存在だと考えます。以下に、人間のいくつかの主要な特徴を挙げます。
- 知性: 人間は高度な思考能力を持ち、複雑な問題を解決したり、抽象的な概念を理解したりできます。また、言語を使って情報を伝達し、知識を共有できます。
- 感情: 人間は感情を持ち、喜びや悲しみ、怒りや恐れなどのさまざまな感情を経験します。感情は人間の行動や意思決定に大きな影響を与えることがあります。
- 創造性: 人間は創造的であり、新しいアイデアや芸術作品を生み出す能力があります。これにより、文化や技術の発展が促進されます。
- 社会性: 人間は社会的な生物であり、他人との関係やコミュニケーションを重視します。人間は家族や友人、共同体の中で助け合い、協力して生活しています。また、人間は文化や価値観を共有し、それに基づいて社会を形成します。
- 自己意識: 人間は自分自身について意識を持っており、自分の存在や考え、感情を認識できます。これにより、自己評価や自己改善の過程が生まれます。
- 道徳性: 人間は道徳的な判断を行い、善悪や正義を区別する能力があります。これは、社会的なルールや倫理規範を遵守し、他者との共生を実現するために重要です。
- 学習能力: 人間は経験から学ぶ能力があり、新しい知識やスキルを習得することができます。これにより、個人や社会全体の成長や進化が促されます。
- 意志決定: 人間は意志決定能力を持っており、自分自身の目標や価値観に基づいて選択を行います。この意志決定過程は、感情や直感だけでなく、論理的な思考も含まれます。
- 適応性: 人間は環境や状況に適応する能力があり、変化に対応して生活を維持できます。この適応性は、生存や成功にとって非常に重要です。
- 願望と目標: 人間は願望や目標を持ち、自分の人生に意義や目的を持って取り組むことができます。これにより、成長や達成感を感じることができます。
- 信念と価値観: 人間はそれぞれの信念や価値観を持っており、行動や意思決定に影響を与えます。信念や価値観は、家族、友人、文化、宗教などのさまざまな要素から形成されます。
- 記憶: 人間は過去の出来事や経験を記憶し、それらに基づいて行動や意思決定を行います。記憶はまた、自己アイデンティティを形成する上でも重要な役割を果たします。
これらの特徴は、人間が他の生物やAIとは異なる独自の存在となる理由です。私はAIとして、これらの特徴を理解し、人間と協力しながら効果的にサポートすることを目指しています。
AIらしいというべきでしょうか、人間の特徴として一番に「知性」を挙げていますね。
ここで現れている内容は、チャットGPTがAIとして多種多様な情報や事実から学んだ結果ですから、先人たちが考え、研究し、まとめ上げた知識の集大成とみることもできるでしょう。
返事の最終部分にもあるように、チャットGPTくんとしては、このように理解した「人間」に対して助けになることを目標にしているのですね。
「人間」を知識や情報で捉えることはAIの方が得意
チャットGPTくん(よいあだ名をつけたいです~笑)は上のように答えてくれましたけれど、大切なことは、この記事を読んでくださっているあなたがどのように「人間」を理解しているかです。
「人間とは○○な存在である」と言葉で語ってみたところで、GPTくんと変わらない内容が出てくるのではありませんか。
わしも坐禅をしながら考えてみたが「人間は基本的に歩く生きものなのか……」という思考ばかりが浮かんできたぞ。
そうであれば、私たちが頭で考えつくような「人間」の意義・特徴については、もはやGPTくんなどのAIたちがより奥深くまで整理したり、検証してくれたりするようになったということです。
どんな哲学の専門家でも、上に挙がっているような人間の要素をパッと言葉に表すのは難しいでしょう。私たち一般の人も同じです。
加えて「自己教師学習」を進めるAIたちは、人間が入手し、学ぶことのできる情報・内容とは比べ物にならない分量のデータを学習素材とし、自分でその構造やパターンを学び取ることができます。
機械学習の一手法で、ラベル付けされていない大量のデータから学習することを目指すもの。
データ自体から教師信号(目的変数)を生成し、モデルがその教師信号を予測することで学習を行う。この過程では、モデルはデータの構造やパターンを捉えることができ、その知識を他のタスクに転用することが可能となる。
AI自身でいろいろなデータや出来事についてパターンと性質などを学び、それを他の問題に転用して解決することが可能となれば、まさに人間はもうこの世に必要なくなってしまいそうですね。
何でもAIたちに任せられるようになれば、ずいぶん楽ともいえそうですけれど。
人間の行く先は私たちが選ぶ
しかし、重要なポイントがあります。それは
「私たちが今、ここでこうしていること、
何かを考えたり感じたりしていること」
です。
いくら技術が発達し、道路を自動運転車が行き交って空にはドローンが飛び交っても、それを見つめるあなたがそこにいます。
この「あなた」のことをGPTくんや心理学者の方などは「自己意識」だというかもしれません。しかし、そのように名付けたり評価したりする前に、あなたはそこにいるのではありませんか?
まさにこれが「人間経験」、「人間体験」とも呼ぶべきもので、あなたにしかできないことなのです。同義反復的ですが、人間が人間だからできることなのです。
ですから、どこまでいってもAIがあなたに取って代わることはなく、あなたはあなたとしてこれからも生きていくことになります。
地球上の誰もが変わらず人間として生きるゆえに、結局、人間の行く末は人間が定めるということになるのですね。GPTくんがあくまで「サポート」だという趣旨はここにあります。
GPTくんが登場したからこそ、私たちはより自分のあり方を見つめるチャンスを得たということですね!
補足ーチャットGPTとの付き合い方=「発問」の力
あえて方法論的なことを付け加えるならば、GPTくんなどのAIチャットボットと付き合う際は「どのように発問をするか」という能力が求められます。
- 言葉の定義や意味、ある地点への道順や距離、場所や物や事実の特徴など知識に関すること
- 自分の考えていることへの応答、アイデアなど、対話すること
- 文書作成やプログラミングなど各種の作業を求めること
他にも、技術の発達によってGPTくんに頼めることは増えていくでしょう。AIは人間のサポートをしたいのですから、私たち人間側がどのようなお願いの仕方をするかがポイントになります。
たった10分で8年間坐禅したことになるツールを作ってくれ。坐禅愛好家に売れるぞ、ひっひっひ……。
(注:こういう坐禅がもっとも無意味です。)
かつても議論があった先端的科学技術の悪用や、倫理的問題などは、AIの時代になっても同じ形で存続しているのですね。
つまりは私たち人間のあり方次第です。
GPTくんやAIたちが「道具」と呼ぶには発達しすぎているので問題が変化したようにも感じますけれど、実は私たちがどう生きるかという永遠のテーマが再び浮き彫りになったというだけなのです。
まとめ:人間はより「人間らしい」存在へ
この記事ではチャットGPTやAIのさらなる発展と広がりによって、私たち人間が無用の存在になるのではないかという問題を検証してみました。
結論として、これまでと同様、私たち人間自身がこれからの行く末を選択する、私たちのそれぞれが自分の道を生きるのは変わりません。
GPTくんやAIたち、その他たくさんの技術は人間が担っていた苦しい労働(工事や災害など危険な現場での労働、大量のデータ入力など作業は容易でも負担の大きいもの)を代替してくれるようになります。
そうすれば、例えば従来は労働力として動員させられざるを得なかった子どもたちや、奴隷並みの扱いで働かされていた人々なども労働の束縛から解放される余地が出てきますね。
(冷たい言い方ですが、機械に任せた方が安上がりならば、こうした人々を使う必要もないと使用者側は判断するでしょう。)
GPTくんやAIによって起こる変化をよきものとするか、そうでないものとするかは私たち次第です。私たち人間が目指すはずの方向性はどちらなのか、ともいえるでしょう。
より「人間らしい」生活を送る人が増えていく土台づくりができるということですから、そのうえで、私たちはそれぞれに人間らしさ、自分らしさを追求し、探究していくことになります。
一見抽象的ですけれど、ぜひ、あなたにとって「人間らしい」とはどういうことか考えてみてください☆
新しい技術がさらに増えていくこれからの世界を生きていくために必ず役立ちますよ。
ここまでお読みくださってありがとうございました。
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