稲垣潤一さん【1969の片想い】歌詞の意味や世界観を徹底解説&鑑賞!
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当記事では、稲垣潤一さんの楽曲
【1969の片想い】
の歌詞およびその世界観を解題・解説し、皆様とともに味わいたいと思います。
すでに大ヒット曲「クリスマスキャロルの頃には」の解説記事を作成していますので、興味がおありの方はぜひご覧くださいね。
「1969の片想い」は1989年10月に発表された楽曲です。
サウンドに華やかさが増してきて、じょじょに稲垣さんのカラーも変化していく時期ですね。
そのことが楽曲の世界観にどのように影響を与えているのでしょうか、早速「1969の片想い」の解説・鑑賞に入っていきましょう!
下部に歌詞全文を用意しましたので、適宜ご利用ください☆
1969の片想い『Self Portrait』所収
最終バスに乗って
君が帰って来た
コレクトコールどこかでくれれば
迎えに行ったのに
解題
軽やかでありつつ、青さや切なさも含んでいるようなピアノから楽曲は始まります。サビから入る流れも稲垣さんが得意とするところですね。
基本的な場面設定としては、男性がかつて(20年前)恋をしていた女性のことを想うものでしょう。
その女性が、それまでお付き合いしていた相手とお別れし、都会から男性の暮らす町へと戻ってきたという出来事を中心に男性の気持ちが語られています。
男性と幼馴染、あるいは通っていた学校が同じだった女性が、都会での生活をやめ、地元へ「最終バスに乗って」沈んだ顔で「帰って来た」ことを男性は知ります。
女性に昔から心を寄せていた男性は、自分がお金を負担する「コレクトコール」でいいから「どこかで」掛けてきて「くれれば」、遅い時間だろうとすぐに「迎えに行ったのに」と思います。
他の何を措いても女性のことを最優先しようという男性の想いが、時代的な色合いも込めつつ描かれていますね。
あいつと切れたらしい
噂で聞いてたよ
憧れの都会の暮しに
疲れたみたいだね
男性は、今回女性が地元へ戻ってくる前に、お付き合いをしていた「あいつと」関係が「切れたらしい」と、飲み会などちょっとしたときに友人たちが話す「噂で聞いて」いました。
その噂を聞いたときから、男性の心は年甲斐もなく華やぎました。女性が帰ってくるのがいつかいつか、とずっと待ち続けていたわけですね。
女性が失恋し傷ついて帰ってくるにもかかわらず、どこかほっとしたような気持ちも胸に抱きつつ、男性は「憧れの都会の暮しに 疲れたみたいだね」とまだ会わないうちからいたわりの言葉を女性に掛けています。
1969の僕は君を好きになって
時はあれから光のように
1969の僕は言えなかったけれど
天使の弓をずっと待たせていた
遠い昔一緒にお茶をした喫茶店で会う約束をして、男性はそこへ向かう間、当時を振り返ります。
大好きなあの女性と会えることになると、なんだか格好をつけてみたくもなる。子供のような気持ちにもなる。
だから「1969の僕」なんて表現を使ってみたくなる男性の足取りは軽やかです。
「君を好きになって」もう20年も「時はあれから光のように」過ぎた。
「1969の僕は」本当の気持ちが「言えなかったけれど」、君の心を射抜き二人の愛をはぐくむ「天使の弓」に矢をつがえて「ずっと待たせていた」んだよ。
本当の気持ちなんて
いつも変わらないさ
悲しみを詰めたトランクは
二人で持てばいい
いよいよ喫茶店に到着しすると、意外にも女性が先にお店に入っていました。
おそらく女性はそれほどに傷ついていたのでしょう、出戻ってきた恥ずかしさ、悔しさなども感じていたのかもしれません。
強がってほほえむ女性に向かって、男性は自分の心のうちも顧みつつ「本当の気持ちなんて」、どんなことがあっても「いつも変わらないさ」と語ります。
男性の気持ちが20年前からずっと変わっていないのはもちろんとして、女性の気持ちだって、実は同じなんじゃないか、僕のことを想ってくれているんじゃないかという含みもありそうです。
二人してそのことに気付かずに、それぞれ(楽曲のテイストからして恋愛において)経験してしまった「悲しみを詰めた」人生という「トランクは二人で」一緒に「持てばいい」じゃないか。
1989の僕は君と見つめあえば
今でも胸が切なくなるよ
1989の僕はポニーテールの頃の
まぶしい君にずっと片想いさ
他の相手との関係で悲しみを抱えていても美しい女性に対して「1989の僕は」格好つけてみているけれど、やっぱり「君と見つめあえば」、昔と同じように「今でも胸が切なくなるよ」。
大人になった「1989の僕は」、結局あの「ポニーテールの頃の」笑顔も泣き顔も何もかも「まぶしい君に」当時も今も「ずっと片想い」なのさ。
男性がこのことを女性に告げたのかどうかは分かりませんが、女性はついに涙を流し始めます。
泣かないで 泣かないで
泣かないで 僕の胸に
遠回りしてきただけだよ
ハイスクールのロッカーで
将来の夢話した
あの頃の僕達に
君も僕も戻ればいいのさ
肩を抱いてあげるまではいきませんでしたが、男性は女性をたくさん慰めます。
そんな風に「泣かないで 泣かないで」大丈夫だよ。もう「泣かないで 僕の胸に」たどり着くまでに、いろいろと経験して「遠回りしてきただけだ」から。
そういう道を通ってきたからこそ、ここでこうしてまた会えたのだという気持ちも男性にはありそうです。
ずっと昔「ハイスクールのロッカー」室「で将来の夢」を夜になるまで時間を忘れて「話したあの頃の僕達に」、たった今「君も僕も戻ればいいのさ」。
だって、
愛なんて幾つになっても
近すぎて見えない
ものだから。
二人ともそれに気が付かないまま、長い時間を離れて過ごしてしまった。けれど、その時間が二人に本当の気持ちに出逢う力を与えてくれているのさ。
男性は、今度こそ自分の気持ちを伝えることにします。
1969の僕は君を好きになって
時はあれから光のように
1969の僕は言えなかったけれど
天使の弓をずっと待たせていた
何も隠すことがない男性の言葉は、どこまでもリズミカルに、力強く紡がれていきます。
昔も今もまったく変わらない男性の想いに、女性はどのように応えるのでしょうか……。
1989の僕は君と見つめあえば
今でも胸が切なくなるよ
1989の僕はポニーテールの頃の
まぶしい君にずっと片想いさ
聴きどころ
スピード感とリズミカルさを保ちながら、キレよく歌い上げている稲垣さんの歌唱にやはり注目でしょう。
稲垣さんの楽曲は全般にそうなのですが、稲垣さんが歌うからこそこの世界観になる、という感覚が強いですよね。
冒頭で触れたピアノの演奏も、丸みを持ちつつ華やかといいますか、やはりこの曲のための和音、メロディだという印象を与えてくれます(この曲の音なので当然なのかもしれませんけど笑)。
プロモーションビデオでノリノリにエアドラムをする稲垣さんも要チェックですね!
管理人の感想
下部のリンクにも掲げましたが、管理人は稲垣さんと出会って早い段階で、本楽曲にはまっていました。
とってもノリノリなのに、切なさをしっかりと隠しているあたりも好きなところです。
当初、稲垣さんが2019年頃にテレビ出演した際の映像で歌っているのを観て素敵だな~と思っていたのですけど、その映像はYouTube上から削除されて現在は観ることができません。
残念です……!
それでは、以上はあくまで管理人の個人的な「1969の片想い」に対する解釈ですので、ぜひ皆様もご自身なりに味わって、楽しんでみてくださいね☆
1969の片想い【歌詞全文】
最終バスに乗って
君が帰って来た
コレクトコールどこかでくれれば
迎えに行ったのに
あいつと切れたらしい
噂で聞いてたよ
憧れの都会の暮しに
疲れたみたいだね
1969の僕は君を好きになって
時はあれから光のように
1969の僕は言えなかったけれど
天使の弓をずっと待たせていた
本当の気持ちなんて
いつも変わらないさ
悲しみを詰めたトランクは
二人で持てばいい
1989の僕は君と見つめあえば
今でも胸が切なくなるよ
1989の僕はポニーテールの頃の
まぶしい君にずっと片想いさ
泣かないで 泣かないで
泣かないで 僕の胸に
遠回りしてきただけだよ
ハイスクールのロッカーで
将来の夢話した
あの頃の僕達に
君も僕も戻ればいいのさ
愛なんて幾つになっても
近すぎて見えない
1969の僕は君を好きになって
時はあれから光のように
1969の僕は言えなかったけれど
天使の弓をずっと待たせていた
1989の僕は君と見つめあえば
今でも胸が切なくなるよ
1989の僕はポニーテールの頃の
まぶしい君にずっと片想いさ
(作詞:秋元康 作曲:桑村達人ー1989年10月25日)
関連記事ーその他楽曲解説など
ここまでお読みくださってありがとうございました!
他に当サイトで稲垣潤一さんを取り上げた記事のリンクを下に用意しておきますね。お時間のあるとき、遊びにいらしてください😉
稲垣さんの楽曲もこれで二つ目の解説・鑑賞ですが、当サイトの楽曲解説のメインコンテンツは村下孝蔵さんです。
当サイトでこれまで取り上げた楽曲を掲げておきますので、村下孝蔵さんにあまり触れてこなかった方も、お時間のあるときぜひ遊びにいらしてくださいね☆
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