【体験談】肩こりも頭痛も身体の「力み」癖が原因!ストレッチに「ゆるみ」を加えてほぐそう
肩こりや腰痛に悩まされていませんか?
デジタル社会への急速な変化とともに、年齢にかかわらず身体のどこかに痛みを抱えたまま生活している人は増加しています。
本記事では、身体の活動面における各種の不調に対する考え方をお伝えしたいと思います。
結論的には、
自分で気付いていない根本的な「力み」からきている
ということが確かにいえると実感しています。
管理人は医療などの専門家ではありませんが、20年以上にわたって自分の身体の「力み」と付き合い、身体のあり方を見つめ、不適切な使い方を解消しようとしてきました。
その過程の中で誤った方向へ進んでしまったこともありましたし、間違いなく以前よりも改善されたと感じる部分も多々あります。
その経験から、専門的な知見を参考にするにせよしないにせよ、一般の方が自分自身で自分の身体を扱うときに、とりわけ注目すべき観点などをお伝えできると考えています。
それでは、早速まいりましょう!
身体は痩せているのに、お腹がでっぷりと垂れてしまう……などのお悩みにも役立つ記事だと考えます。
気付かない身体の「力み」
いまこの文章を読んでくださっているあなたは、身体のどこかに「力み」を感じますか?
確認してみてください。
……八年も壁に向かって座禅していると、やはり肩と腰が硬い、重い。
と自覚できる方もいると思いますが、中には「いつもと特に変わった感じはしない」という方もいることでしょう。
今回取り上げているお話は、このどちらのパターンにも当てはまるものです。
まず、肩こりや筋肉の張りなどの症状は、その箇所が硬くなる(=筋肉が収縮する=「力む」)ように脳から指令が送られていることを意味していますよね。
原因はそのときの一時的な姿勢であったり、日常生活でしがちな動作であったりさまざまです。
前者の方のように自分で力みに気付いている場合でも、その力み(硬さ)を自分で解くことができない以上、それは「気付いていない力み」と同じ意味を持ってきます。
なぜなら、自覚できていてもその部分の硬さが身体の不調につながって、継続しているからです。
いっぽう、後者の方の場合はまさに力みに「気付いていない」ので、自分の知らないうちに身体の動きが制限されたり、痛みが現れてきたりすることでしょう。
私たちが最も認知しやすいのは生命維持にかかわる「痛み」ですから、皮肉にも「気付けば」肩こりや腰痛で身体が苦しい日々を送っている……ということになるのです。
力みの原因
それでは、この身体の力みの原因は何なのでしょうか??
どのようなものが思い浮かびますか?
重いものを持ったりとか、ずっとパソコンいじってたりとか、……あと最近は「スマホ首」なんかも聞くね。
もちろん、荷物を運んだり、上半身を固定して文字を打ち込み続けたり、首だけ落としてスマホの小さな画面を見続けたりというのはいずれも原因になりえます。
これらは身体のどこかに力を入れながら行う作業だからです。
しかし、現代社会でこうした活動をせずに暮らすことは不可能ですね。
またこのような身体の使い方をしても、そこまで辛い症状が残らない人や、反対にひどいコリなどが継続する人もいます。
さらに、経験している方も多いかと思いますけど、睡眠中さえも身体は案外固まっていて、起きたら首や肩がゴリゴリだったりしますよね。
解けないのが問題
そうすると、力んだり力を使ったり、固まるような身体の使い方をしたあとで、その状態が解消されないことこそが問題なのではないでしょうか。
電車で首を前に落とすように曲げてスマホを眺めていたあと、目的の駅に到着したので立ち上がって降車する。
そのとき、首は少し前に出たままなのではありませんか??
時間を忘れてパソコンに向かって作業をし、ようやく終えた休憩のコーヒータイム、肩は内側に巻いたままなのではありませんか??
それまで長く続けていた姿勢の名残なので、首や肩などが直前までと同じ形になっていても、自分ではさほど違和感を覚えないものです。
けれど、生活上おこなわざるを得ないそれらの作業姿勢は、必然的に身体の一部分に「力み」を発生させてなされるものです。
この組み合わせによって、あるときにしていた姿勢からくる「力み」が他の場面、他の時間にも及ぶようになり、それが無意識に恒常化することが問題なのだと考えます。
ニュートラルな姿勢の大切さ
幼いころを思い出してみると分かりやすいですが、誰しも子供のころは身体のどこかが凝って痛い、いつも同じ部分が痛い、などということは少ないですよね。
(もちろん人それぞれですし、骨格的な特徴や病気などによる場合があることも承知しています。)
子供たちは身体がやわらかく、砂遊びで身体をこれ以上ないほどに丸めて熱中していたあとでも、すぐに跳び上がって友人や親のもとへ駆けていくことができます。
学校で長時間座って授業を受けたあとでも、昼休みになれば校庭へ走り出します。
そうしてそれまでと異なる活動、運動をするうちに、砂遊びや勉強で丸まっていた背中や肩、前へ傾いていた首の位置などは正常な位置へ戻るのですね。
先に述べたことと対比して表現すれば、子供たちは「気付かないうちに」自然な姿勢に戻るといえます。
このように、固まっていた姿勢がニュートラルなものへ戻ることがとても大事なのだと、管理人は最近になってようやく気が付きました。
管理人の遍歴
ここで少しだけ、管理人自身のこれまでの身体に対する向き合い方を紹介させてください。
管理人は小さいころからけっこう体重があって、いわゆる「ぽっちゃりした子」でした。
成長するにしたがって、一時は100㎏の大台にのせるところまで至りました(確か中学3年生か高校1年生だったのではないかと記憶しています)。
筋肉をたくさんつける運動をしていたわけでもないので、自分の体感としてもかなり身体が重かったです。
当然動くのはおっくうになり、座って過ごす時間が意識せずとも増えていきます。
あるとき、ひょんなきっかけで減量しようと思い立って、水泳を開始して、たぶん1年か2年ほどかけて70キロくらいまで落としました。
減量自体はうまくいったほうだと思うのですけど、なんだかシルエットがよろしくない……。
お腹はへこんでいるのにぷよぷよだし、下を向いたらでっぷりと垂れてくるし……
体形もまた人それぞれですから、お腹ぷよぷよなのが悪いというのではないのです。
しかし、それなりに運動して、以前は考えられなかった長距離のランニングなどもできるようになって、大学のサークルでも「体力あるヤツ」と認識されるようになったのにも関わらず、こんなにお腹が垂れるのがなぜなのかどうしても分かりませんでした。
筋トレに活路を……しかし行きどまり
そんな管理人が次に目を付けたのは、もちろん(?)筋トレでした。
トレーニングで筋肉を増やして、脂肪をどんどん燃やす身体になって、腹筋も鍛えて六つに割る。
プロテインやその他のサプリも活用して、筋トレに励みました。
……でも、腹筋はふんわりと割れるところまでしかいきませんでした。
割れたならいいじゃないか! というお声も聞こえそうですが、誤解のないように申し上げておくと、割れても下を向いたらでっぷりと垂れたのです。
付け加えるなら、体脂肪率が十分に低くなっても、垂れたのです。
これには管理人もお手上げでした。
身体のいろいろな部分の筋肉が成長して、重いバーベルも挙げられるようになったのに、シルエットは整わない。
そのうち、肩甲骨のまわりにコリを感じるようになりました。
運動している間はあまり支障はありませんでしたが、部屋の掃除をしているときなど、ピキッとスジが張るような痛みが走ります。
トレーニングをするようになったことは、体力づくりの面からもとても役に立ったのですけれど。
姿勢(体幹)がポイントだった
このころ、管理人は「反り腰」(そり「こ」しでなく、そり「ご」しが一般的な読み方のようですね)という言葉に出会います。
骨盤が前に傾いて、背骨が腰のあたりから反り返った状態をいうとされていて、人体の構造的に下腹部ポッコリの原因になります。
昔から猫背だったこともあり、筋トレは適切なフォームでおこなわないとケガを誘発するとも学びましたし、姿勢にはすごく気を付けているつもりでした。
でも、筋トレの適切なフォームはその筋トレ種目のためのものです。
上のイラストのように「正しい姿勢」と提示されても、自分の身体ではどの位置関係、あるいは位置「感覚」が正しいのか、むしろよく分からなくなってしまいました。
その後、バレエの知見を活かしたワークアウトに取り組んだり、身体をゆるめる発想(「「ゆる体操」」など)を学ぶうちに、人体の本来持っている機能をそのまま働かせること、そこから拡張していくことのすばらしさに触れました。
ここで人体の本来持っている機能とは、人間が自然に身体を使うときの様子をいいます。
それはすなわち「ニュートラル」ということであり、自分自身で「ニュートラルを感じられる」ようになることが、大人にとっては大事なのだとようやく気付いたのです。
裏返せば、私たちがいかに「ニュートラル」を知らずに生活しているのか、ということに驚かされました。
そこへ筋トレやら姿勢矯正やらで手を加えていくので、どうしてもたどり着く場所がないのです。
特に背中の上の方、腰の後ろがものすごく力んでいました。
机に向かっておこなう作業が多かったのもありますが、姿勢をよくしようと胸を張り、腰を反って「堂々とした」力感ある身体の使い方になっていたのですね。
背中が全体に力んで固まってくると、咳が出るようになりました。風邪でも喘息でもないのに、背中の硬さで胸やのどがムズムズする。
それが気になって余計身体を固くしてしまったり……という悪循環です
どう向き合うか
では具体的に、普段の生活でどのように自分の身体と向き合うとよいのでしょうか。
キーワードは「やわらかいこと」「ゆるめること」です。
姿勢
反復になりますが、やはり「ニュートラルな」自分の身体位置感覚を知ることが大切です。
不思議なことに、ニュートラルな位置関係に触れる(姿勢をそのポジションに持っていく)と、そこからの動き出しはとてもスムーズで楽なものになります。
もちろんこれまでの身体の使い方の癖や、骨格の事情もありますから、一度ニュートラルに触れただけではなかなかそのままではいられません。
おそらくこの理由で、バレエなどでは「アンドゥオール」という股関節から両脚を開く基本ポジションを学んで身体に染み込ませてから、他の動きの練習に入っていきます。
しかしバレエは身体に負荷の高い運動ですので、まずは本記事の冒頭のように、自分の身体のどこかに「力み」が存在しないかチェックしましょう。
もし「力み」が見つかれば、できるかぎりその部分をゆるめてあげます。力を抜いてあげます。
このとき、身体の軸、体幹が安定していないと力を抜くことさえ難しいことに気付くはずです。
けれど逆に、そうやって余計な部分の「力み」を解除してあげるからこそ、これまで使わずにいた体幹の細かな筋肉などが活用されて、鍛えられることにつながるともいえます。
急激におこなわないように注意!
ですので、ここも自分自身でよく身体の反応を感じ取ってあげながら、できるだけ全身の「力み」を解く練習をしてください。
これは意外にハードなイタチごっこです。
無意識に力んでしまう、凝ってしまう身体の使い方をしてきたのですから、何度も同じ部分に力が入ります。
それをその都度解きます。
これを繰り返すうち、だんだんと不必要な力が入らないようになっていくのです。
そうして全身の力が十分に抜けた状態が「ニュートラル」ということになります。
必要なときに必要な部分にだけ、出力がある状態ということもできるでしょう。
その意味では「ニュートラル」はいつも決まった形があるわけではなく、どの状況でも「ちょうどよい」身体の使い方だといえます。
ウナで立つ・骨で立つ
前掲の「ゆる体操」関連の書籍に詳しいのですけど、簡単にこの「ニュートラル」を感じることのできる立ち方があります。
弁慶の泣き所がある脛(すね)の骨、そのちょうど真下に「ウナ」と呼びならわされる点を設定することができます。
ここは人体の構造上、上半身から太もも、膝、脛と下りてきて、その流れに沿って足裏が地面に接する中心となるポイントですから、身体の重さを支えるときにもっとも合理的な箇所です。
年配の方が利用している杖で、先がいくつかの足に分かれたものをご覧になったことはありませんか?
あの枝分かれした杖も、その足のうちどれか一点に重心を乗せてしまってはバランスが崩れます。
同じように、足裏も接地しているどれかの骨のひとつに重心をかけるのではなく、この「ウナ」というバランスポイントに立ってあげることが、一番少ない労力で立つこと=力まない=「ニュートラル」につながるのです。
はじめは少し難しいかもしれませんが、ぜひ試してみてください。
うまくいくと腰のあたりの力みがほぐれるのも感じられますよ。
この実践をすることで、普段自分の重心が前に行きがちなのか、後ろへ倒れがちなのかもよく察知できるようになります。
動き方
やわらかく動くことができれば、基本的にはどんな動作をしてもよいと思います。
やわらかい動きは身体をほぐす方向へ作用するので、身体がほぐれればやわらかく動けるし、やわらかく動けると身体がほぐれるという相互作用が起きてきます。
ここでは歩行を例にとってみますね。
できるだけブランブランで
歩くとき、可能な限り全身をゆるめて歩いてみてください。
想像以上に身体が不安定になることにまず驚くはずです。その感覚に慣れること自体も練習です。
また、前方向へ脱力しすぎるとつまずいてしまうし、後ろにダレすぎると腰が痛いなど、ここでもバランスポイントあるいは「軸」があるらしいことが体感できてきます。
その軸を大切にしながら、できるだけ力を抜いて、ゆるくやわらかく歩きましょう。
全身マッサージをしながら歩く
だんだん慣れてくると、歩くことで全身マッサージができるような感覚になってきます。
歩いてきたあとのほうが姿勢がよいですし、身体の動きも軽いのです。
これまでは力を入れて身体を使っていた部分がゆるんで、歩いている最中にプラプラと振られるわけですから、このことはある意味当然ですよね。
けれど、これは実際に体験するとものすごく大きな発見です。
いつも自然におこなう身体の動きが、マッサージやストレッチの効果を持つのですもん。
この方向の作用を、歩行だけではなくて生活全般に及ぼしていけたらすばらしいと思いませんか??
精神面
緊張すると身体を固めてしまったり、握りこぶしを作ってしまったり、歯を食いしばってしまったりということはよくあります。
やわらかい身体の使い方を試みるうちに、こうして「力み」が発生することにも鋭くなっていきます。
加えて、精神面でも「力む」ような発想はさけるのがよいでしょう。
近頃耳にする機会も増えてきましたが「~ねばならない」となるべく言わないとか、「~じゃなきゃダメだ」と思わないとか、ご自身の考え方の癖にも気付けるようになると、心身ともにもっとやわらかくなっていくはずです。
これは当記事で述べてきた身体の使い方を練習する際にも言えることで、「なんとかうまく力みを抜こう」と焦ったり、「こうやってこういう結果を得てやろう」と急いだりするとうまくいきにくい場合が多いです。
精神面も「ニュートラル」を感じてみてくださいね。
まとめ
最後にまとめましょう。
身体の不調の原因は、自分で気付いていない「力み」にある。
これを自分自身で対処するためには、
- 身体のどこかに発生している「力み」に気付いて、解く
- 「ウナ」で立つことで、全身を「ニュートラル」へ
- 急ぎすぎず焦らず、心も「ニュートラル」
まずはこれらを意識してみてください。
運動にせよ体操にせよストレッチにせよ、最終的には自分自身のこの身体を自分で扱うしかないのですし、いま自分ができるところからスタートしてみましょう☆
最後に付け加えるなら、自分では「力み」を解いた、力を抜いたと思っていても、もっと力を抜いた状態があり得るということを心のどこかに置いておくとよいと思います。
継続していると分かってきますけど、本当に私たちは知らないうちに余計な力を加えて身体を使っているのです。
ここまでお読みくださってありがとうございました!
皆様がもっと身体を楽に使って、毎日を健康に楽しく過ごせることをお祈りしています。
参考図書
『バレエワークアウト』
しっかりおこなうと、いつまでも楽にはならない(効果のある)奥深いワークアウト。
明らかに身体は変わって動くのが楽になります。
『究極の身体』
理論的に身体の自然な使い方、適切な使い方を解説してくれている良書です。
人間の身体に洋々たる展望を見出した著者の熱い思いが詰まってます。
⇒著者さんのホームページはこちら(「究極の身体&究極の意識」)
「竹田純さんYouTube」
(追記:2023年2月17日)
直前でご紹介した『バレエワークアウト』の著者である竹田純さんが、YouTube上でさまざまなエクササイズ・ストレッチを公開しています。
管理人も最近愛用させていただいているのですけれど、バレエの知見と工夫が随所に生かされた動きで、身体がのびのびと変化してきています。
本記事では「ゆるむ」ことを軸に検討してきましたが、身体の各部の可動域が大きくなれば、さらにゆるむことができるのだということも実感中です。
肩こり撃退、腰痛撃退、腰肉撃退など、いろいろ楽しく有効なコンテンツがあるので、ぜひ、チェックしてみてください☆
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お時間のあるとき、遊びにいらしてくださいね~!