おうじゃの(新春)初笑い・福笑い第二弾【雪だるま】
【おうじゃの福眼】へようこそいらっしゃいました!
今回も新春(もうそろそろ時期は過ぎましたが)初笑い・福笑いの第二弾【雪だるま】をお送りいたします。
2023年が始まって、はや半月近くが経とうとしていますね。皆様は笑顔の多いお正月期間を過ごすことができたでしょうか。
家族や親類が集まるからこそ、楽しみもあれば、普段感じなくてよいような面倒な気持ちを体験したりもするものです。
そんなとき、あなたならどうしますか? 雪だるまを作ってみますか?
しかし下の語りは誰が語ってるんだか……。
小話【雪だるま】
いやいや、今年はそこまで雪が多くないようです。
毎年毎年そう雪だるまをたくさん作れというのも無理な話です。なにしろいくら作っても溶けるんですから。春になったら必ず溶けるでしょう。そうしたら雪だるまを作った労力なんて何だったんだ、ってことになります。
だからといって、ひとつも作らないというのは雪の降る地域に住む方々にとってはどこかが足りない、何かなすべきことをなしていないような気持ちにもなる。
そんなわけで、今年も雪だるまを作ったわけです。
コツを知ってますか? まず頭から作るんですよ。頭を作って横に置いておいて、それから胴体を作ります。胴体は場所が許す限り大きい方がいい。大きい方が後から削ることができます。
後から頭のせるの、絶対大変じゃない……?
雪合戦のとき、雪が足りなくて困ったことはありませんか?
そのとき、雪だるまが溶け残っているのを見たことがあるでしょう。でも、そこにまだ残っているということは、雪だるまの業界ではかなりの重鎮なので、こちらも安易に雪を頂戴してよいものかどうか悩みます。そんなことを考えているうちに、雪玉をぶつけられてしまうんですね。
今年作った雪だるまには、いつもと趣向を変えて「願掛け」をしてみました。どんな願かといいますと、ちょっと恥ずかしいんですけれども、
この雪だるまを見た人が幸せになりますように!
なんていうものなんです。
雪だるまも人間みたいなものですからね、私たちのことをよく見ているものですよ。そんな雪だるまは、冬以外の季節は水に戻って地球を回り回っている。そう考えると、ある意味で雪だるまは常にあなたとともにある、というわけですね。
○○○○ WARSのような感じがするけど……。
ですから、雪だるまにかけた願というのは、いろんな人々やこの地球に向けてかけた願みたいなものです。そういう願が形をとった雪だるまを街のあちこちで見かけるというも、冬の季節のよいところかななんて思うこともありますね。(誰かを呪うために雪だるまを作るっていう話、お聞きにならないでしょう?)
さて、そうやって今年も作った雪だるまですが、作ってしまえばそれでおしまいです。あとは毎日挨拶したり、通りかかった人が眺めてくれるかな~と楽しみに見たりというくらい。
そうするうちにまた雪が降ったので、雪だるまを大きくしました。周りの雪と区別しておいた方が素敵ですから、雪かきをしてあげて、キレイな雪だけ胴体にくっつけて、それから頭にもくっつけて。
背の高さを越えてくると、そろそろどうしようかなと考え始めます。そのまま大きくしていくと、もし倒れたりしたら、願掛けをした雪だるまが何かを破壊するという本末転倒なことになってしまいます(倒れたら、というだけに)。
屋根からの雪も頭にたまるようになりますし、そうすると雪だるまというよりも雪山になってきて、一日では整える作業が終わりません。今日は胴体の右側、明日は左側という風に整えてあげるのですが、そんなこちらの都合にかまわず雪は降ってくるので、雪山の中に雪だるまが埋まっているような芸術的な見かけになってきます。
困ったので、雪だるまの製作はここまでとしました。自然と崩れるまでは見守ってあげようと思うんです。雪だるまも自分だけ大きくなると不安でしょう。
別な日、親戚のおじさんが、その雪だるまの脇で一服していました。おじさんは吸い終わった殻を雪だるまの肩のあたりに差していました。お正月の期間は朝昼晩、さらに他のときにも一服していたので、雪だるまの肩はタバコの吸い殻だらけになってしまいました。
お子さんたち、この吸い殻やその周りの雪は、あんまり触っちゃいけませんよ。タバコの葉っぱからニコチンなどが染み出していますから。
今度は、スズメが飛んできて、もう片方の肩にどこかで拾ってきたのか小粒の豆や葉っぱ、木の実などを埋め込みました。冬場は食べ物を探すのが大変なので、こうして貯蔵しておこうというのですね。
次は近所の子どもたちが、学校の図工で作った木の何かや、野球のボールや、お母さんのお財布からそっと抜き取った小銭や、壊れたテレビゲームのソフトなんかも雪だるまの背中に差し込みました。
♪~~~~♬~~♪~~~♬!
などとゲームのイントロ音楽を、雪だるまも口ずさみたかったことでしょう。子どもたちは「秘密基地を作る!」と言って、雪だるまの背中を掘り始めましたが、すぐお家の人に見つかってできませんでした。
最後に雪だるまのお腹が残っています。ここに「みんなが幸せになりますように」と書いた紙をそっと挟み込んでおいたのですが、気が付きましたか。
街で見かける雪だるまたちには、こんなバックストーリーがあるものです。
春が来たら、雪だるまを見かけた場所をもう一度お散歩してみるのも楽しいですよ。ちょっとした拾い物があるかもしれません。(けれどそれはたぶんそのお家の人のものなので、見るだけで。)
終幕
あれ、もう終わり? と思ってくださったなら、今回の小話も多少はお役目を果たせたのかもしれません。
読み物というものは、何か結末や結果を目指して読み進めるものではなく、読んでいる最中が一番大切ですからっ☆
(読んでくださって、本当に本当にありがとうございます!)
また(面白い)お話を作っていこうと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします~☆
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